心的外傷後ストレス障害(PTSD)について

心的外傷後ストレス障害(PTSD)について

 アメリカで627日は、「心的外傷後ストレス障害(PTSD)啓発デー」として定められています。PTSDに関する正しい知識を持ち、精神疾患で苦しむ方をさまざまな形でサポートしようと呼びかける日に値します。今日は、リトル東京サービスセンターのカウンセラーに、PTSDという病気について分かりやすく説明してもらいます。
 皆さん、PTSDという言葉を聞いたことがありますか。日本語では「心的外傷後ストレス障害」といい、Post-Traumatic Stress Disorderの頭文字を取ったものです。命の安全が脅かされるような出来事を体験、もしくは目撃することで強い精神的衝撃を受けることが原因です。性的・身体的な虐待、家族や恋人の予期せぬ死、事故、戦争、天災などにより強い恐怖感、無力感や嫌悪感を抱き、毎日の生活や対人関係に支障をもたらすようになると、PTSDと診断されます。症状が1か月を経ていないものは「急性ストレス障害 (Acute Stress Disorder)」と呼ばれ、PTSDと区別されます。

 PTSDの症状は一般的に4つに分けられます。

 追体験:トラウマ記憶がしつこくよみがえります。これは、フラッシ
 ュバック、幻覚、悪夢として現れることがあります。記憶がよみが
 えった時には、精神的な苦痛や様々な身体症状が引き起こされ
 ます。

 回避症状:トラウマ記憶を思い出すような人や場所、機会などを
 避けることです。また、トラウマ記憶をなるべく考えないようにし
 ます。この回避をすることで家族や友人から離れている、孤立し
 ている感覚が生まれたり、かつて楽しめた活動に興味が持てなく
 なったりします。

 認知の異常や否定的気分:トラウマ体験を思い出せなかったり、
 必要以上に長く自分を責めたり、他人を責めたりします。これら
 から、時に自分を傷つける行動を取るようなこともあります。

 覚醒や反応性の異常:些細なことでびくびくし、眠れなくなった
 りします。いらいらして自暴自棄になったり、過剰に警戒したりも
 します。また、血圧が上がったり、心拍数が高くなったり、筋肉の
 緊張、胸のむかつき、下痢など身体の症状も出たりします。

 6歳以下の子供の場合、遊びの最中にトラウマになった出来事が無意識に再現されることがあります。また、PTSDと診断された子供は、トイレトレーニング、運動能力、言語などの領域での発達に遅れがあることがあります。
 PTSDの症状は通常、心的外傷につながる出来事が起きてから約1か月以内に出てきます。しかし中には、何年も経ってから症状が出る場合もあります。PTSDの症状は完全に消えることはありませんが、治療法として薬物療法のほか、 カウンセリングでトラウマから沸き起こる感情にどのように向き合えばよいかを学ぶことで、症状の軽減が期待されます。
 リトル東京サービスセンターでは、PTSDを含め、様々な精神疾患で苦しむ方々へカウンセリングを提供しています。ご質問・お問い合わせはオモト・アユミまでご連絡ください。電話は、213-473-3035です。

 

ニュースレター「春夏秋冬」2019年春号 に掲載されました。