4月は全米ボランティア認識月間です
4月は、ボランティアの方々に感謝の気持を伝える「全米ボランティア認識月間」です。リトル東京サービスセンターの社会福祉部には現在、74人のボランティアの方々が登録しており、様々な分野で活躍しています。このような献身的にボランティアされる方々の協力なくして、LTSCは皆さまに社会福祉サービスを提供することはできません。
今回は、LTSCのボランティアグループの一つである、日系ヘルプラインについてご紹介します。日系ヘルプラインは、サンタモニカの海で起きた日本人母子心中事件(乳幼児2人死亡、母親は命を取り留めた)をきっかけに1986年、LTSCの社会福祉部内に開設されました。環境や文化の異なるアメリカで、日本人や日系人が孤立することのないように、二度とこのようなことが起きないようにとの強い願いに応えたもので、当時はボランティが24時間体制で対応していました。現在も、日本語による電話相談を平日午前10時から午後5時まで行っており、日系社会に地道なサービスを提供しています。
日系ヘルプラインのリスナーとしてボランティアをされているお二人に、なぜボランティアに参加しているのか、その理由に焦点を当てお話を伺いました。
ボランティアさんの声
私がボランティアをしている理由は、先ずLTSCは日系のEstablishmentであること、つまり母国語を使って苦労なくCallerの持つ問題解決に役立てるということです。これはアメリカに何十年住んでいても、英語教育があっても、日本生まれの日系人・日本人は発音に苦労しています。その意味で、「日本語で仕事をする」「日本語を使ってCallerの為になる」ということはとても有意義です。LTSC はその貴重な場を提供してくれています。
第二の理由は、大概の役所、病院、その他の施設は日本語通訳を置いていません。このためにお困りの、特にシニアの方々、ビビナビやネットの使えない方々は日常生活の中で問題解決にとても苦労をしておられます。その他、育児問題、結婚問題、隣人関係など込み入った問題があると、それを懇ろに聞き、早速問題解決のためのReferralなりが必要となります。往々にしてLTSCはそのような諸問題の受け皿となり得ます。我々ボランティアは、ロサンゼルスの日系コミュニティー内の中心的ソーシャルサービスであるLTSCで、自分のため、そして人のために日本語を駆使して働くことは勉強にもなり、意義があることと思います。
ボランティアさんの声
リスナーのボランティアを始めて2年半が経ちました。電話による相談内容は色々なものがあります。人間関係の悩み、法律の絡んだトラブル、子育ての悩みや離婚に関してなど。リスナーはそれぞれの相談内容に応じて、最適な機関を照会しご案内します。 相談者が求めている次なるステップを示し、満足していただけた時は嬉しいです。一方で、受ける電話の中には、「誰かと話したい」「とにかく話を聞いてもらいたい」という方も多いのです。
トレーニングの時、リスナーが一番に心がけ ることは「傾聴」であると、くり返し教えられました。「傾聴」とは、耳で聞くだけでなく、目や心などすべての感覚を集中させ、尊敬の念を持って相手の話をうかがうことで、実は、簡単そうで意外に難しいのです。はじめの頃は、相手の話の途中でついさえぎりそうになったり、「私ならこうします」と言いそうになることがありました。相手の話をきちんと聞かないうえ、相手の立場に立って考えていない自分に気づき、その方が置かれた状況を想像しつつ聴く、共感を持って聴くことこそ「傾聴」だと学びました。しっかりとお話を伺うと話し手の心が落ち着き、どうしたら良いかということを自分で整理して前に進めることができるのだと思います。
余談ですが、「傾聴」は、リスナーの仕事の外でも役立ちます。人間関係の潤滑油のよう、とでも言いましょうか。 「話す」より「聴く」ことの大切さに頷けるようになりました。リスナーとしてのボランティアは、誰かの役に立て、自分自身も成長でき、また、リスナーの仲間との交流も楽しいです。このような機会に恵まれたことにとても感謝しています。
LTSCでは随時、ボランティアを募集しています。皆様のスキルを活かせるさまざまなポジションがありますので、ご興味のある方は、213-473-3035、ボランティアコーディネーターのイクコまでご連絡ください。
ニュースレター「春夏秋冬」2019年春号opens PDF file に掲載されました。